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まだまだ発展途上のミャンマー語翻訳業界 [ミャンマー語通訳翻訳]

自戒を込めて、ミャンマー語翻訳業界のレベルは低い!ミャンマー語翻訳を見ていると迷訳、珍訳に出くわす率がものすごく高い。

例えば、「常に携帯が必要である。パスポート、在留カードなど」と言う文章を「常時携帯電話が必要である」と訳されていたり、「問題の切り口」が、「問題の傷口」になっていたり。意味の取り違え、日本語の単語を直訳して並べただけなものなど、思わず吹き出してしまいそうな珍訳のオンパレードだ。

(もちろん、中にはとても参考になる訳もある。そんな訳に出会ったときは、そこから翻訳を学ぼうとする謙虚な精神を持っていると自負している。)

こんな未熟なミャンマー語翻訳業界を発展させたいと願う者は、筆者だけではないと思う。

では、どうすればミャンマー語翻訳業界のレベルを向上させることができるのか?

これには翻訳者側の努力と翻訳者依頼者側の理解と言う二つの側面が必要だと考える。

当たり前すぎるが、自分を含めてミャンマー語翻訳者達はもっと努力しなければならない。日本語とミャンマー語、それそれの文章を読んで、それぞれの言語で慣用的な表現、自然な表現はどのようなものであるのか、それが完全に身につくまで習得する必要がある。

そんなこともできないの?と疑問に思うかもしれない。でも、ミャンマー語翻訳でこれができる人はかなり少ない。日本語とミャンマー語は文法の順序がほぼ同じであるため、どうしても単なる単語の置き換えになってしまう。言い換えれば、意味を理解して、その意味が伝わるように訳そうと言う努力を怠ってしまうのだ。

でも、言うは易し、行うは難し。実際に翻訳しているとどこまで表現の仕方を変更して良いのか悩む、悩む。そのまま訳しても伝わらないと思ったら勇気を出して、表現を変えないといけない。

分かってはいるけど、日本語とミャンマー語は語順がほぼ同じであるために、なかなかできない。言い方を替えたら正確に翻訳できないのではないか。変な訳だと思っても、恐怖心から手が動かない。日本的な表現をミャンマー語として自然な表現に変更することは、相当な勇気がないとできません。

そもそも、何が自然で、何が不自然か、翻訳者は多読、精読を重ねてレベルアップを図る必要があります。

通訳者がレベルアップを図るためには、それ相当の時間と労力を要します。その為の努力を奨励する環境がないと、ミャンマー語翻訳は日本語ができるミャンマー人のぶっつけ仕事の域を出ることはありません。

そのためには、(翻訳者としてここからを強調したいのですが)通訳を依頼する側の意識を変えてもらう必要があります。

日本語が話せるミャンマー人だから、翻訳ができるだろう。 
⇒できるとは限りません。

正確な翻訳ができるためには、言葉の能力以上に、理解力が必要です。原稿の内容を理解できないようでは、正確に翻訳できるはずがありません。皆さんも、日本語の文章を読んでいて、さっぱり何を言いたいか分からないといったことが少なからずあるはずです。

一番最初に上げた迷訳例も、何を言いたいのか理解しないまま、とりあえず言葉を置き換えた結果なのです。

日本語ができるミャンマー人は全て、ミャンマー語訳ができる。このような誤った先入観を捨ててください。言葉ができる人間すべてが、翻訳、通訳を上手にこなせるわけではありません。

翻訳は、プロの翻訳者に依頼しましょう。そして、それ相当の報酬を支払ってください。安い翻訳には、理由があります。本当に、ミャンマー人に伝えたいことがあるのであれば、プロの通訳者に、それ相当な報酬を支払って、翻訳を依頼すべきです。ミャンマー進出コンサル会社の翻訳メニューを利用するなど言語道断です。

プロの翻訳者は、常に翻訳レベルの向上を図る努力を怠りません。そのための環境整備に翻訳依頼者も手を貸してください。

ミャンマー語翻訳のレベル向上は、翻訳者だけが努力すればよいというのではありません。翻訳依頼者側の協力があってこそ、正確で分かり易い翻訳を提供できるようになっていくのです。





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